丸堀製茶の誇る「目利き」の技術

丸堀製茶の最大の強みは、創業以来120年にわたり受け継がれてきた「目利き」の技術にあります。お茶は自然の産物であり、毎年の気候や畑の状態によって品質が微妙に異なります。そのため、同じお茶でも、年によって味や香りに差が出るのが当たり前。だからこそ、私たちは毎年お茶の仕入れの時期には茶葉の状態を見極めるための厳しい「検茶」を行い、その年のもっとも良質な荒茶を選び抜くことに全力を注いでいます。

検茶では、社長自らが数十種類の荒茶を、色・香り・味・形状のすべてを五感で判断。品質や価格、品種、生産者の特性まで含めて総合的に判断し、丸堀製茶のお茶にふさわしいかどうかを厳しくチェックします。

この「目利き」の精度が、年間を通して安定した品質を保ち、常にお客様にご満足いただける味わいを提供できる理由です。時には、その年の原料から新商品の着想を得ることもあり、目利きの力は単なる品質管理にとどまらず、商品開発やブランド価値の創出にもつながっています。

「検茶」から始まるお茶づくり

丸堀製茶のお茶づくりは、毎年お茶の仕入れ時期に行われる厳しい剣茶作業から始まります。これは茶葉の品質を確認するだけでなく、その日仕入れるべき最良の原料を選び抜くための、極めて重要な工程です。社長自ら50〜60点もの荒茶を一つひとつ丁寧に見て、色・香り・味・形状を総合的に評価します。

お茶は農作物であり、年や産地ごとに品質が大きく異なります。そのため検茶では、品種や価格だけでなく、生産者の特徴や仕上げの傾向、さらに年間の商品構成や価格帯とのバランスも考慮しながら判断を下します。

目の前の茶葉がどの商品にふさわしいか、あるいは新しい商品の原料となる可能性があるかなど、企画的な視点も含めた検茶が、丸堀製茶ならではの特徴です。

この毎朝の積み重ねによって、「目利き」の技術が磨かれ、安定した品質と新たな可能性を生み出す礎となっています。品質本位の姿勢は、ここからすべてが始まっています。

「抜ける」香りを求めて

丸堀製茶では、お茶の味と並んで「香り」を非常に重要な要素と位置づけています。中でも私たちが追い求めているのは、飲んだ瞬間にふわりと広がり、すっと鼻を抜けていく“抜ける香り”。この香りはお茶の第一印象を左右し、飲み終えた後の余韻や満足感にも大きな影響を与えます。

この「抜ける香り」は蒸し工程で茶葉の芯まで均一に蒸されていることが大切になります。不均一な蒸しでは複数の香りが混在し、雑味のある印象になります。一方、しっかり丁寧に蒸された茶葉からは、透明感のある澄んだ香りが立ち上がり、口当たりも軽やかになります。

丸堀製茶では、仕入れ時期の毎朝の検茶においてこの香りの“抜け方”を重視し、五感を駆使して選定を行います。たとえ味が良くても、香りに違和感があれば仕入れは見送り。香りへの妥協なき姿勢こそが、私たちの品質の原点です。

高度なブレンド技術

丸堀製茶の品質を支えている柱のひとつが、熟練の茶師による高度なブレンド技術です。お茶は農作物であり、年や畑、品種によって風味や香りが微妙に異なります。そのため、毎年同じ味を再現するには、複数の荒茶を見極めて組み合わせる高度な「合組(ごうぐみ)」の技が欠かせません。

当社では、厳選仕入れした荒茶原料をもとに検茶で厳選した荒茶原料をもとに、商品の味わいやターゲット層、価格帯に応じたブレンドを丁寧に設計します。異なる個性を持つ茶葉同士のバランスを調整し、それぞれの長所を引き出すことが、茶師の腕の見せどころです。

ブレンドに正解はありません。自由な発想と経験に基づく試行錯誤を繰り返しながら、理想の味を追求していきます。こうして生まれたブレンドは、個性を保ちつつ、飲みやすく飽きのこない味わいへと昇華されます。丸堀製茶のブレンド技術は、お茶専門店様とのお取引の中で磨かれたものです。

専門店に認められる品質

丸堀製茶の品質へのこだわりは、かつてお茶専門店との取引が中心だった時代に磨かれたものです。専門店は味や香りに非常に厳しく、わずかな違いにも敏感に反応します。そのような環境の中で信頼を得るためには、茶葉を見極める力と、妥協のない仕上げ技術が求められました。

この経験で培った「本物志向」の姿勢は、現在の量販店やギフト商品、OEM製品においても一貫して守られています。丸堀製茶では、価格帯の違いにかかわらず、どの商品にも高い品質基準を適用し、お客様の期待を超える味と香りを追求しています。

たとえ大量生産が必要な商品であっても、目利きによる原料選定と丁寧な仕上げ加工に手を抜くことはありません。この姿勢こそが、丸堀製茶が長年にわたり多くのお客様に選ばれ続けてきた理由です。専門店に認められてきた実績が、今の品質を支えています。

OEMについて

次世代への継承

丸堀製茶では、120年にわたり培ってきた「目利き」の技術や製茶のノウハウを、次世代へ確実に継承していくことを重要な使命と考えています。お茶づくりに必要な技術は、一朝一夕で身につくものではなく、日々の実践の中で少しずつ積み重ねていくもの。特に、茶葉の見極めやブレンド、火入れといった感覚的な工程は、経験を通してしか習得できません。

丸堀製茶では、若手社員が毎朝の検茶や製造工程に参加し、先輩茶師のもとで実践的に学ぶ環境を整えています。また、社内外の品評会や研修にも積極的に参加し、技術力と感性の両方を高める取り組みを続けています。

伝統を守るだけでなく、時代のニーズに対応できる柔軟な発想を持った茶師を育てること。それが、掛川茶の未来を支え、日本茶文化を次の世代につないでいくための、丸堀製茶の変わらぬ覚悟です。

丸堀製茶の4つの強み