掛川茶へのこだわりと全国に認められた品質

丸堀製茶は、世界に誇る掛川茶を全国へ届けることを使命とし、創業以来120年にわたり品質の向上と普及に努めてきました。これまで培った経験と技を基に、常に時代に合わせたお茶づくりを追求しています。

掛川茶は、濃厚な味わいとまろやかな口当たりが魅力の深蒸し煎茶です。「味濃厚にしてマイルド」という言葉の通り、旨味とまろやかさのバランスが絶妙で、幅広い世代の愛飲者から高く評価されています。

その品質は全国的にも認められています。全国茶品評会「深蒸し煎茶の部」では、産地として最多となる26回の「産地賞」を獲得しました。この輝かしい実績は、掛川茶が長年にわたり高品質かつ安定した味わいを提供し続けてきた証です。

さらに、生産量でも知覧、牧之原に次ぐ全国第3位を誇り、日本有数の茶産地としての地位を確立しています。丸堀製茶は、この掛川茶の魅力を守りながら、未来へと受け継ぐ取り組みを今後も続けてまいります。

深蒸し製法が生む味わいと健康への恵み

掛川茶の最大の特徴は、通常よりも長く茶葉を蒸す「深蒸し製法」にあります。長時間の蒸しによって茶葉の細胞が壊れ、旨味成分がしっかりと引き出されると同時に、渋みが抑えられたまろやかな口当たりが生まれます。これにより、お茶が苦手な方や初めて飲む方でも飲みやすく、幅広い層に受け入れられています。

また、深蒸し製法では茶葉が細かくなるため、抽出時に栄養成分が効率よく溶け出し、豊かな味わいと香りを存分に楽しむことができます。この製法こそが、掛川茶特有の「味濃厚にしてマイルド」という魅力を支えています。

さらに、掛川茶は健康面でも高い注目を集めています。平成23年、NHK「ためしてガッテン」で掛川市のがん死亡率の低さが紹介され、市民が日常的に愛飲する掛川茶が全国的に知られるきっかけとなりました。緑茶に含まれるカテキンは、抗酸化作用や抗菌作用を持ち、生活習慣病予防や免疫力向上にも役立つとされています。

掛川の茶草場農法

掛川市東部、雄大な粟ヶ岳の麓で古くから受け継がれてきた「茶草場農法」は、2013年にユネスコの「世界農業遺産」に認定されました。秋に山草を刈り取り、茶畑の畝間に敷き詰める作業が、美味しいお茶づくりと希少植物の保全の両立に寄与している点が高く評価されたものです。

この農法では、周辺の草原(茶草場)から刈り取った草を茶畑に敷き詰めます。草は自然の肥料となり、土壌を豊かに保ちます。代々続くこの方法により、掛川東山地区の茶畑はふかふかの絨毯のような柔らかい土壌を維持。そこで育った茶葉は栄養価が高く、特に風味豊かで美味しいお茶になります。この豊かな土壌は、長い年月と丹精込めた手間によってはぐくまれた、かけがえのない財産です。

丸堀製茶では、茶草場農法で育ったお茶を積極的に仕入れ、その価値を多くの人に伝えています。伝統的農法を守る生産者の思いを受け継ぎ、広く発信することも私たちの大切な役割です。そこには、地域の風景や文化を未来へ残す使命感も込められています。

近年は農家の高齢化や後継者不足により茶園面積が減少し、地域としての課題が顕在化しています。さらに、世界的に需要が高まる抹茶の生産も掛川ではまだ始まったばかりです。丸堀製茶は生産農家と共にこれらの課題に向き合い、解決に取り組むとともに、新たな可能性にも挑戦し続けます。掛川茶の未来を切り拓き、その魅力を次の世代へと確実に手渡していくことが、私たちの使命です。

丸堀製茶の4つの強み